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防水・防塵性能
防水 防塵 は、以前からガラケーに備わる機能としても一般に知られています。
また、最近では、iPhone7にも採用されるなど、ほとんどのスマートフォンに搭載されており、機種選びの際にも重要視される機能となっています。
台所や洗面所などの水回りでの使用はもちろん、突然の雨や海や川などのレジャー時にも活躍するなど、今やなくてはならない機能の一つと言えます。
しかし、単に防水と言われても、「どれくらいまで濡れても大丈夫なのか」はっきりしたことはよく分からないという人も意外と多いのではないでしょうか?
同じく、防塵についても、「いまいちよく分からない」という声も多いのではないかと思います。
このページでは、そんな疑問を解決すべく、防水・防塵機能について少し掘り下げて説明しています。
防水性能

防水とは、電気機器内へ水が入り込まないように加工することで、一般的には水の中に浸けても機器に損害を与えないものであると定義することが出来ます。
ちなみに、スマートフォンをはじめとする機器の防水は、5~35℃の真水や水道水を想定されています。
そのため、基本的には、水蒸気や石けんが侵入する恐れのある風呂場や、海水に触れる可能性がある海水浴、塩素(カルキ)などが含まれるプールでの使用は保証されていません。
また、防水の程度を表す用語としては、一般的に完全防水や生活防水などといったものがあります。
しかし、これらの用語は日本工業規格(JIS)等の正規の規格に基づくものではありません。
日本工業規格(JIS)とは
日本工業規格とは、工業標準化法に基づき、日本工業標準調査会の答申を受けて、主務大臣が制定する工業標準であり、日本の国家標準の一つ。
JIS(ジス)またはJIS規格(ジスきかく)と通称されている。
水の浸入に対する保護等級(通称、JIS防水保護等級またはJIS保護等級)として0級から8級までの防水性能が規定されている。
あくまでも、「完全防水」「生活防水」という言葉は、通称であることを理解した上で、その内容を見ていきましょう。
完全防水

完全防水とは、その名の通り、液体の浸入を完全に防ぐ機能を指します。
完全防水という明確な定義はなく、各メーカーによって表記は異なりますが、一般的には、後述する「IPX5」~「IPX8」までのものが該当します。
ただし、厳密には「IPX8」をもって完全防水とするという見方が多いようです。
生活防水

生活防水もまた、明確な定義はありませんが、現在では一般的な概念として広く定着しています。
生活防水とは、簡易な防水機能のことを指します。生活する上で生じる、ちょっとした水こぼれや、小雨に濡れたり、水しぶきがかかったりするような場合でも安心して使用することが出来ます。
あくまでも、生活上での水トラブルに限られるため、水中での使用や水洗いには適しません。
メーカーによって生活防水の定義は異なりますが、一般的には「IPX4」が表記されたものが多いようです。
また、似たような用語に、防滴や耐水などがありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
その違いについては、次の通りです。
防水と防滴と耐水の違い
名称 | 意味 | 保護等級 |
---|---|---|
防水 | 外界から水が入り込まないように加工すること。ウォータープルーフ(waterproof)。 | IEC:IPX3,JIS:3級以上 |
防滴 | 水滴による害を防ぐこと。少しくらいの水であれば、かかっても問題ない。 | IEC:IPX2,JIS:2級以下 |
耐水 | 水に耐えうる力があること。保護等級における6級を指す。 | IEC:IPX6,JIS:6級 |
完全防水 | 液体の浸入を完全に防ぐこと。 | IEC:IPX8,JIS:8級 |
生活防水 | 生活上における簡易な防水機能のこと。 | IEC:IPX4,JIS:4級 |
ここで注意すべき点としては、「防水」は水が入らないようにするための加工を指す概念そのものを指すのに対し、「耐水」は、保護等級の一つである6級という具体的なカテゴリーを指すという点です。
一般的に、「防水」と「耐水」は、同じ意味を表す言葉として使用されますが、これらの用語を電気機械について使用する場合、「防水」は「耐水」を含む包括的な概念であると言えます。
そのため、「防水」が意味する範囲は広く、「生活防水」から「完全防水」まで多岐に渡ります。
一方、「防滴」は、「防水」とまでは言えない、「防水」の下位概念として捉えることが出来ます。
防水性能を表す「IP」とは
スマホのスペックを確認していると、防水の項目に「IPX5」「IPX8」などと記載されていることがあります。
この表記が防水に関するものだということは分かっていても、具体的にどういう意味かまでは理解していない人も多いかと思います。
ここでは、IPコードについて説明をしています。
「IP」とは、IEC(国際電気標準会議)によって定められた防水・防塵の保護規格を意味します。IPは、International Protectionの頭文字です。
防水・防塵併記

「IP56」のように、数字が2つ連なる場合、右側の「6」が防水性能を示します。一方、左側の「5」部分の表記が防塵性能を示します。
単独表記

IP規格で防水性能のみを表す場合は、「IPX6」などのように表します。
防水規格を示す指標としては、IPX0からIPX8までの9段階が存在します。
防水等級は、IPXの右側の数字で表されます。Xは、防塵の指標ではないことを表しています。
また、防塵等級の場合は、IPの後に数字が入り、一番右側にXが並びます。
防水規格表
防水規格は、国際基準(IEC)と日本の国内基準(JIS)の二つにより決定されています。
- 国際規格 … IEC(国際電気標準会議)、IP規格(International Protection)
- 日本規格 … JIS規格(日本工業規格)
どちらも、内容はほぼ同一の基準です。
防水性能における、IECとJISの保護等級については次の通りです。
JIS | 保護の程度 | IEC | |
---|---|---|---|
保護等級 | 種類 | ||
8級 | 水中形 | 継続的に水没しても内部に浸水しない | IPX8 |
7級 | 防浸形 | 一時的(30分)に一定水深(1m)の条件に水没しても内部に浸水しない | IPX7 |
6級 | 耐水形 | あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない | IPX6 |
5級 | 防噴流形 | あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない | IPX5 |
4級 | 防沫形 | あらゆる方向からの飛沫による有害な影響がない | IPX4 |
3級 | 防雨形 | 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | IPX3 |
2級 | 防滴II形 | 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない | IPX2 |
1級 | 防滴I形 | 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない | IPX1 |
0級 | 無保護 | 特に保護されていない | IPX0 |
また、JIS・IEC混成表記と呼ばれる、”JIS IPX6”のような二つの規格を併記した記載方法も存在します。
防塵性能

防塵とは、ちり、ほこりが機器内に入るのを防ぐことを意味します。
防塵性能もまた、IEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)で保護等級が定められています。
防塵規格表
防塵性能における、IECとJISの保護等級については次の通りです。
JIS 保護等級 | 保護の程度 | IEC |
---|---|---|
6級 | 粉塵が中に入らない(耐塵形) | IP6X |
5級 | 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形) | IP5X |
4級 | 直径1mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない | IP4X |
3級 | 直径2.5mm以上のワイヤーや固形物が中に入らない | IP3X |
2級 | 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない(指程度を想定) | IP2X |
1級 | 直径50mm以上の固形物が中に入らない(握りこぶし程度を想定) | IP1X |
0級 | 特に保護がされていない | IP0X |
6級の他は、何らかの固形物が内部に侵入し、数字が大きくなるにしたがって、侵入する固形物の大きさが小さくなります。
6級は、粉塵ですら侵入しないという性能を意味します。
また、等級5は、次のように2つのカテゴリーに分かれます。
- カテゴリー1 … 内部が負圧の状態で粉塵の侵入を防止
- カテゴリー2 … 内部が負圧にならない状態で粉塵の侵入を防止
基本的に、家庭向け機器の場合は、5級以上の保護等級をもって防塵性能と表記している場合が多いようです。
防水・防塵対応スマートフォン
高い防水・防塵性能を持つスマートフォンには以下のようなものがあります。
TORQUE G03 | Qua phone QX | CAT S40 | rafre KYV40 |
---|---|---|---|
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【搭載OS】 Android 7.1 | 【搭載OS】 Android 7.1 | 【搭載OS】 Android 5.1 | 【搭載OS】 Android 7.0 |
【高さ】 約145mm | 【高さ】 146mm | 【高さ】 144.9mm | 【高さ】 約142mm |
【幅】 約71mm | 【幅】 約73mm | 【幅】 74.08mm | 【幅】 71mm |
【厚み】 約13.6mm | 【厚み】 約8.9mm | 【厚み】 12.45mm | 【厚み】 約10.4mm |
【重量】 約198g | 【重量】 約139g | 【重量】 約185g | 【重量】 約159g |
【容量】 RAM:3GB ROM:32GB | 【容量】 RAM:2GB ROM:16GB | 【容量】 RAM:2GB ROM:16GB | 【容量】 RAM:2GB ROM:16GB |
【カラー】 ● グリーン ● ブラック ● ブルー 全3色 | 【カラー】 ● ホワイト ● ブラック ● ピンク 全3色 | 【カラー】 - | 【カラー】 ● ペールピンク ● クリアホワイト ● ライトブルー 全3色 |
【防水】 IPX5/IPX8 | 【防水】 IPX5/IPX8 | 【防水】 IPX8 | 【防水】 IPX5/IPX8 |
【防塵】 IP6X | 【防塵】 IP5X | 【防塵】 IP6x | 【防塵】 IP5X |
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まとめ
一口に防水・防塵性能があるスマートフォンといっても、様々な違いがあることがお分かりいただけたのではないかと思います。
特にアウトドアで活躍する防水・防塵対応スマートフォンはこれからの季節に本領発揮してくれるはずです。
ただし、防水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではありません。
使用方法によっては耐性が低下する可能性があります。
そのため、使用しているスマートフォンに防水性、防塵性があるからといって、無理な使い方をするのは避けた方がいいかもしれません。
また、スマホーケースを購入する際も、そのケースが耐水性なのか防水性能なのかをしっかりと確認しておくことをオススメします。
本格的な夏を迎え、海や川などにスマホを持って行く機会も増えるかと思いますが、高い防水・防塵性能を持つスマホなら水や汚れのトラブルに遭っても安心して使用することが出来ます。
水に触れる機会が多い方は、その辺りを考慮してスマホ選びをしてみるのもいいかもしれませんね。
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